特定非営利活動法人 町田市つながりの開 理事長
前田 隆行
日常生活において最も大切な視点
私たちの活動は平成22年の市民活動から始まりました。その活動とは、認知症でも安心して暮らせる町田市を目指すべく、当事者、家族、専門職、医師、薬剤師、行政等が一市民としてイベントを開催してきました。その流れの中から当法人が平成24年6月に設立され、また通所介護事業所DAYS BLG ! (以下、BLG)が同年8月にスタートしました。
そのBLGは当事者たちの「はたらきたい」「役に立ちたい」「社会とつながりたい」等の想いをカタチにすべく、地域や社会とのハブ機能を持つことによって認知症に対する正しい理解を促進し、結果として当事者の想いが届く。そしてそれが波及することで地域の中に拠点が生まれ、更なる促進となっています。実際に町田市が良い前例となっているのです。この取り組みは全国に先駆けて行われ、政府が推進している社会参加事例としても平成30年度の厚生労働白書に取り上げられています。
私たちはBLG参加当事者とスタッフをメンバーと呼ぶことで、介護する側と介護される側という関係性をなくし、水平の関係性を持っています。つまり、どちらがサポートを受けても良いという意味です。これは日常生活の延長線上にあるということで、非日常的な介護事業所とは大きく異なります。しかし、これが日常生活において最も大切な視点でもあります。
これからもBLGは、メンバーがどんなときでも安心して参加することができるよう、「素」になれるよう皆で場をつくり、我が国の認知症に対する重要な視点を学び合える居場所として、メンバー皆で考え、活動し、共有していきます。